「世界一周の旅に出るぞ!」と決めても、バックパック持って、飛行機に乗ってすぐ出国!というわけにはいきません。旅に出る前にやっておくことがたくさんあります。
世界一周に行くために「何から始めたらいいの?」といった疑問を持っている方もいらっしゃるかと思います。今回は、世界一周に必要な準備についてご紹介させていただきます。
もくじ
世界一周のルートを決める
多くの人が最も悩むであろう「世界一周のルート」。世界一周には様々なルートがあるので大変です。
ここでは、出国前にルートを完全に決めておく方法ではなく、大まかにルートを計画しておいて「状況に応じて変更する」という方法をおすすめします!
理由としては旅先で出会った人からオススメの場所を聞いたり、一緒に行動したりなど旅のルートが常に変わることがあるからです。
世界一周のルートの決め方
- 行きたい場所をリストアップする
- 優先順位を決める
- ベストシーズンを確認する
- 世界一周の全体ルートを決める
という4ステップに分けて考える方法がおすすめです。下記に1ステップずつご紹介します。
(1)行きたい場所をリストアップする
まずは興味のある都市やスポット、お祭り、イベントを全てリストアップしていきます。行ける、行けないは考えなくても大丈夫です!せっかくの世界一周なので、短期旅行では行けない都市やスポットを多くリストアップすることをオススメします。いろんな人のブログや本、SNSも参考にしてみてください。
(2)優先順位を決める
次にリストアップした都市の中で、特に訪れたい場所には◎、できれば訪れたい場所に◯、機会があれば訪れたい場所に△、というように優先順位を付けていきます。その際、世界地図にマークしていくと見やすいですよ!優先順位を付けることで、自分が回りたい「世界一周ルート」が見えてきます。
優先順位を付ける理由としては、世界一周の期間内にリストアップしたすべての場所に行くのは難しいためです。旅の中で、計画していた以上にどこかの国の滞在が延びたり、資金的な問題で帰国が早まったりと、旅の時間が減ってしまうこともあります。事前に優先順位を決めておくと、どこを削ればいいか決めることができます。
(3)ベストシーズンを確認する
例えば、世界一周の定番である「ウユニ塩湖」の鏡張りが見たいなら、1月下旬〜3月上旬がベストシーズン。スペインのトマティーナ(トマト祭り)は、毎年8月の最終水曜日といったように、お祭りやイベントには、ベストシーズンが決まっています。
自分が行きたい観光地のハイシーズンやイベント時期を把握して「何月にその地域に行くのがベストか?」を検討する必要があります。一方、ハイシーズンは観光客も多いため、場合によっては少しずらして、空いている時期を狙うという方法もあります。
(4)世界一周の全体ルートを決める
行きたい場所と優先順位が決まれば、それぞれの場所を線でつなぎ、ある程度の道筋を決めて全体ルートを計画していきます。この時「街単位」ではなく「国単位」で計画を立てることをオススメします!実際に旅に出ると、情勢の問題や他にも行きたいところが出てくるなど、その時々でルートが変わることが多々あります。
しかし、一点だけ注意しておきたいことがあります。それはビザについてです。ビザの条件は国によって異なるため、事前に調べておく必要があります。日本のパスポートは、ビザの事前取得が不要なことが多く「世界最強のパスポート」とも言われています。日本のパスポートを持っているだけで、なんと164ヶ国も入国できます。(2018年9月時点)ほとんどの国にビザなしで訪れることができますが、ブラジルやロシアなど、ビザ取得が必要な国もあるので出国前にチェックしておくのがおすすめです!
世界一周用の航空券を購入する
全体ルートがある程度決まったら航空券を購入しましょう。世界一周のための航空券は、大きく分けて2種類です。
- 世界一周航空券
- LCC(格安航空会社)の航空券
どちらにもメリット、デメリットが存在するため、自分の計画に合った航空券を選びましょう。
世界一周航空券の特徴
- 世界一周航空券とは、地球を一周するための航空券
- 大手の航空会社を利用できるため、安心感があり機内サービスも充実
- 飛行機に乗れるのは16区間まで
- 大陸ごとに滞在できる都市の数や回数に制限がある
- 旅の期間は1年以内
- 一度入った大陸に逆戻りできない
- 同じ空港に到着して、出発しないといけない
- 出国前に全区間の予約を取らなければならない(便や日程の変更は無料で可能)
- ルート変更が可能(手数料が必要)
上記のように世界一周航空券にもメリット、デメリットがあります。意外と制限も多いので、日本にいる時点で旅のルートがほとんど決まっていたり、大手の航空会社を利用したい方にはオススメです。一方、旅の中で行きたい場所が変わるなど、臨機応変にルートを組みたい方や長期間の旅をしたい方にはオススメしません。
現在、世界一周航空券には「スターアライアンス」「ワンワールド・エクスプローラー」「グローバル・エクスプローラー」「スカイチーム」の4種類があります。費用はエコノミークラスで40万円弱〜になります。
LCC(格安航空券)の特徴
- うまく組めれば、世界一周航空券より安く購入できる
- 陸路を上手く活用してルートを組める(同じ空港に戻らなくて良い)
- 自由にルートを組むことができる
- 1年以上の旅が可能
- 手荷物の制限が厳しく、重量制限をオーバーすると追加料金が発生する
- 機内サービスが充実しておらず、食事や飲み物などが有料
- 機内設備がカット(座席モニターなし等)されていて、座席も狭い
- 変更や払戻しができない場合がある
- その都度、航空券を取らないといけない
格安会社の航空券には上記のようなメリット、デメリットがあります。近年、LCC(格安航空券)の普及が著しく、主要な都市には必ずLCCが就航しています。ルート変更が容易なこともあり、最近ではLCCを利用した世界一周が主流になってきています。
格安航空券を探す時に役立つのが「Skyscanner(スカイスキャナー)」というサイトです。 出発地と到着地、日付を選択するだけで、一番安いフライトを表示してくれます。LCCの乗り継ぎ便も検索できます。
海外旅行保険に加入する
もしもの時に備えて「海外旅行保険」には必ず加入しましょう。世界一周ではいろんな国に行くため、旅行期間が長くなります。したがって、普通の海外旅行では遭わないような病気や事故、盗難などのトラブルに遭うことも予想されます。
海外では日本の常識が通用しないこともあり、治療費に莫大な費用がかかったり、物を壊した時に高額な損害賠償を請求されることがあります。そのような時にかかる費用を補償してくれるのが海外旅行保険です。一年間の保険料は安いもので20万円〜、高いものでは40万円近くにもなりますが、必ず加入しておくのがおすすめです。
特に見ておきたい補償は「治療費」「携行品損害」「賠償責任」などの項目です。長期旅行では、よく利用される項目となります。
海外転出届を提出する
一年以上の海外滞在の場合、「住民票の海外転出届」を、現在住んでいる市区町村役場を提出する必要があります。一年未満の場合は提出しなくてもよいですが、提出することをオススメします。
その理由としては、一年未満で帰国する予定でも、旅行中に滞在期間が延びたり、延長したいと思うことがあるためです。さらに、日本に住んでいないにもかかわらず、住民税や国民健康保険料を支払うのはもったいという理由もあります。海外転出届は14日前から提出できます。では、「海外転出届」を出すことで、具体的にどのようようなメリットがあるのでしょうか?
住民税
1月1日時点で国内に居住していなければ、その年度の住民税の支払い義務がなくなる。
国民年金
支払い義務がなくなりますが、海外旅行中の任意加入も可能。
国民健康保険
「脱退」となり保険証も返納します。支払い義務もありません。
所得税
世界一周中は日本での稼ぎがないため、所得税は徴収されません。しかし、世界一周前に稼いだ分の所得税は確定申告をする必要があります。
持ち物を準備する
世界一周に持っていくものを準備していくと「これは絶対必要でしょ?」「これはもしもの時に使うから」「これも持っていたほうがいい」っといったように、いつの間にかバックに詰めれない量になってしまうことがあります。持ち物は大きく分類すると、5種類に分類されます。
- カバン
- 貴重品類
- 電子機器類
- 衣類
- 日用品や小物
カバン
バックパック
バックパックは「リュックタイプ」と「スイッチバック」の2タイプがあります。スイッチバックとは、スーツケースのようなコロコロが付いており、背負うことも運ぶこともできるバックのことです。バックパックの値段はもちろん、ブランドや性能で違いがあったり、体型によって合う合わないがあります。そのため店舗で実際に見たり、背負ったりして自分に合ったバックパックを選ぶことをオススメします。
デイパック
デイパックとは、小型のリュックサックのことです。サブバック的な位置づけで、街歩きする時のカメラ、貴重品を入れて持ち歩くのに便利です。雨が降ることもあるので、防水のものがおすすめです。
貴重品類
パスポート
これがないと世界一周をすることができません。多くの国は残存期間が6ヶ月以上ないと入国できないため出発前に有効期限も確認しておきましょう。
クレジットカード
クレジットカードは海外での買い物だけでなく、海外のATMで現地通貨のキャッシングができたり、カードによっては持っているだけで海外旅行保険が付帯されるものもあります。紛失や盗難、ATMでのカードトラブルに備え、3枚以上持っていくことをオススメします。
プライオリティパス
プライオリティパスがあれば、世界中の空港ラウンジを無料で使うことができます。安い飛行機で移動すると、空港の待ち時間が長くなってしまうこともありますが、ラウンジに入れると無料のご飯やお酒を楽しめたり、高速の無料Wi-Fiが使えたり、ラウンジによってはシャワーが付いているところもあります。
空港ラウンジを使用するには、1回3,000円程度かかりますが、プライオリティパスの 「プレステージ会員」を持っていれば、何度でも無料で使用できます。通常、プライオリティパスを取得すると年会費に399ドルがかかってしまいますが、楽天のプレミアムカード会員になることで、プライオリティパスに無料登録できます。他にも様々な方法があるので、是非調べてみてください。
USドル
国や地域によってはATMが使えない時があります。日本円が両替できなくても、USドルならおおよそどこでも両替できます。いざという時に備えて持っていくことをおすすめします!
国際運転免許証
海外で運転するためには日本と同じように運転免許証が必要です。しかし、日本の免許証では海外で運転できません。海外で運転するためには、国際運転免許証を取得する必要があります。国際運転免許証は各都道府県ごとで違いがある場合があるため、最寄りの運転免許センターや警察署に問い合わせて取得しましょう。
電子機器
電子機器は人によって持ち物が異なります。
- スマホ
- パソコン
- カメラ
- モバイルバッテリー
- 外付けHDD、SDカード
- 三脚
- ケーブル類
- 変換プラグ
など自分に合ったものを厳選して持っていきましょう。
衣類
世界一周は寒い国にも暑い国にも行くことになります。気候や環境に合わせた服を持っていく必要があります。準備している時は必要なものを全てを持って行こうとしがちですが、意外と現地で調達することができます。少なめに持っていって、足りないと感じたら現地で買うのも一つの方法です。
日用品・小物
南京錠、虫除けスプレー、日焼け止め、洗濯ロープ、洗濯ネット、裁縫セット、アウトドアナイフ(機内持ち込み不可)、ライト、タオル(早く乾いてコンパクトなもの)、吊り下げ洗面ポーチ、爪切り、耳栓、アイマスク、メガネ、コンタクト、サングラス、歯ブラシなど持っていくことをオススメします。人によってそれぞれなので、状況によって検討しましょう。シャンプーやトリートメントなど重たい物は荷物になるので現地購入も一つの方法です。
また女性の方は、化粧品なども持っていくかと思います。肌に直接つける化粧グッズは、海外のものだと刺激が強いものも多く、日本から持って行くことをオススメします。しかし、マスカラやアイライナーなどのコスメティクスは海外でも安価で手に入るので、持って行く必要はありません。乾燥しているところも多いので、保湿を重視して化粧品を選ぶ必要があります。
予防接種を受ける
「世界一周するうえで予防接種は必要?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。しかし、予防接種は必ずしておくのがおすすめです!
予防接種をした方が良い理由
- 入国時などに予防接種を要求する国があるため(主にアフリカの熱帯地域や南米の熱帯地域の国々など)
- 自分自身を感染症から守り、周囲の人への二次感染を防止するため
海外には日本にない病気があったり、感染するリスクが高い病気が多くあります。予防接種を受けることで予防できる病気は限られていますが、予防接種を受けることで感染症にかかるリスクを下げることができます。また途上国では、医療技術が発達していない国や地域もあり、感染しても迅速に治療を受けれないこともあります。最悪の場合、死に至ることや後遺症が残る可能性も。予防接種は必ず受けておきましょう。
予防接種は何を受ける?
滞在予定の国や地域によって、予防接種を打つ必要があるのかを調べることができます。何の予防接種を打った方がいいのかは「厚生労働省検疫所 FORCE」で確認することができます。
予防接種の種類としては「黄熱病」「A型肝炎」「B型肝炎」「破傷風」「狂犬病」「ポリオ」「日本脳炎」「麻しん」の8種類があります。特に黄熱病に関してはブラジルなど、黄熱予防接種証明書(イエローカード)を入出国時に求める国もあります。
予防接種はどこで受ける?
予防接種は日本でも海外でも受けることができます。
日本国内
大都市であれば、長期旅行をする人用に予防接種を実施している病院があります。また全国の検疫所でも予防接種を受けることができます。 どの検疫所も事前予約が必要です。病院やクリニック、検疫所での予防接種を検討しましょう。
海外
予防接種は、海外の機関でも受けることができます。例えば、東南アジアの旅人御用達として、タイのバンコクにある「スネークファーム(Queen Saovabha Memorial Institute and snake farm)」などが有名です。ここでは予約なしで、日本の相場より4〜5倍安い値段で受けることができます。万が一、予防接種を忘れてしまった方は、海外で予防接種を受けるというのも一つの方法です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?世界一周に出発するためには、様々な準備が必要です。計画する時間も含めると、準備には時間がかかるので、早いうちから取り組んでおくことをオススメします!少しでも、これから世界一周を検討する方の参考になれば幸いです。