オンライン留学は意味ない?デメリットや費用対効果について聞いてみた

オンライン留学は意味ない?経験者に聞いたデメリット

新型コロナの影響により世界中で始まったオンライン留学。2021年には英語学習の一環として受講する人が増えています。

誰もが気になるのは、高い費用を払ってまでオンライン留学を「やる意味はあるのか?」ということ。気になるデメリットや問題点について、実際の経験者に聞いてみました。

この記事で分かること

  • オンライン留学のデメリット
  • デメリットの解決方法
  • オンライン留学をやる意味があるのかの結論

オンライン留学は意味ない?

この記事を読んでいただいている方の中には、実際に「オンライン留学」を検討している方もいるかもしれません。

もし申し込んで失敗したら?費用は無駄にならないか?など、オンライン留学の費用対効果について気になっていることかと思います。

筆者自身、過去に海外留学とオンライン留学をどちらも経験していますが、まず最初に言えることは留学をオンラインで代替するのは無理があるということです。

「オンライン」と「留学」という言葉は相反していて、留学の一番の学びはリアルの中にあると考えます。

では、オンライン留学は意味ないのか?ということなのですが、そうではありません。オンラインで留学を代替するのは難しいということで、新しい「オンライン学習のカタチ」として捉える必要があります。

オンライン留学の参加者の特徴

オンライン留学の参加者の特徴マップ

オンライン留学は海外留学よりも「語学学習」としての側面が強いと言えます。そのため、オンライン留学の受講生の多くは本気で語学を勉強したい人、1日25分のオンライン英会話のようにちょっと試してみるという人は少数です。

一方で語学力を問わない点もオンライン留学の特徴です。真面目に勉強に向き合いたいけど英語初心者、という方でもオンライン留学に参加できます。元々、海外留学する人の語学力は多様であるため、学校のクラス分けも広く設定されています。

本題に戻りますが、オンライン留学は留学ではありません。オンライン学習の新しいカタチです。

では、オンライン留学の何が新しいのか? 英語学習でいえば、すでに「オンライン英会話」が盛んで、格安レッスンを受けることもできます。

ここでは的を絞ったオンライン留学のメリットを2つ紹介します。

オンライン留学のメリット

オンライン留学のメリット(1)講師と向き合う時間量

一番のメリットは「講師と向き合う時間量」です。

オンライン留学の授業は1日90分〜、平日は毎日学習するのが基本です。なかには海外留学のように「3〜5時間」の授業を受けるプログラムもあります。

オンライン英会話も毎日授業がありますが、一日25〜50分のレッスンが一般的。つまりオンライン留学は「学校に入学するのと同じくらい勉強しよう」というコンセプトで運営されています。

また受講生に対する「コーチング要素」を持っているプログラムも少なくありません。

講師を派遣するから勝手に授業してね!というスタンスではなく、日本人マネージャーや現地スタッフがサポーターとなり、学習管理のためのコーチングを実施しています。(注:国やプログラムによっては例外あり)

オンライン留学の受講生は「本気で語学を勉強したい人」という理由はここにあります。

しかし最近ではオンライン留学も多様化しており、土日受講のみや勉強時間が少ないプログラムも出てきました。

そうなってくると「オンライン英会話」との違いって?という声が再び聞こえてきそうです。しかし、もう一つ大きな違いがあります。

オンライン留学のメリット(2)海外との国際交流

オンライン留学のメリット、いや、もはやオンライン留学が目指すべきゴールとも言えるのがオンライン上の「国際交流」です。

実際の海外留学の利点とも言える「交流要素」をオンライン上で再現するという取り組みです。

例えば、カナダ最大級の語学学校「ILAC」が提供しているオンライン留学はすべてがグループ授業、90カ国以上から約3,000名の生徒が参加しています。

ILACのオンライン留学の国籍比率データ

これだけ多国籍なオンライン授業は世界中から生徒が集まっている「オンライン留学」しかありません。

また別のプログラムでは、海外をオンラインで視察する「オンラインスタディツアー」を実施している学校団体もあり、これらはオンライン英会話や英会話スクールにはないオンライン留学ならではの魅力となっています。

オンラインスタディツアーの写真

オンライン留学のメリットはこのように「講師と向き合えること」や「世界と繋がる要素がある」ことです。

さて、ここまでオンライン留学のメリットを紹介してきましたが、全ての学校、プログラムが同じというわけではありません。プログラムによってはコーチングも国際交流もなかったりします。オンライン留学のデメリットプログラムによる違いについても知っておきましょう。

今回はアンケートを通じて、実際の経験者にオンライン留学のデメリットを伺いました。またセブ島留学センター(当社)が考える対策についても合わせてご紹介していきます。

経験者に聞いた!オンライン留学のデメリットと問題点

以下は当社オンライン留学の利用者(2020年5月〜2021年8月)で、レッスン修了後のアンケート回答にご協力いただいた52名のフィードバックとなります。

アンケート結果のスクリーンショット

情報引用元:Googleフォーム|レビューの回答(オンライン留学)

嬉しいことに多くの方にご満足いただけている結果となっています。成功の秘訣は目的に合ったプログラム選びにあります。

次に体験者の方からいただいた同アンケート内のコメントから、デメリットと問題点を考察していきます。

もともとビジネスコースを考えていたが、開講時間が合わなそうだったので、ジェネラルコースで受講しました。しかし、ビジネス英語がやはり学びたく、1週間後にビジネスコースに変えました。時間は夜21時半からしかなく、スケジュール的には厳しかったですが、先生の質や周りの生徒のモチベーションが高く、変更して良かったと思いました。

デメリット:プログラムの開講時間

このコメントから読み取れるデメリットは「プログラムの開講時間」です。

オンライン留学では実施している国や学校によってプログラムの開講時間が異なります。特に日本と時差がある欧米のオンライン留学によく起こります。

どうしても受けたいプログラムが希望時間に開講していない場合、国を考え直してみましょう。例えば、フィリピンなどのアジア圏は日本との時差が少ないというメリットがあります。

授業のコマ数が多くて、宿題だけでいっぱいで復習が疎かになってしまった。

デメリット:過度なレッスン時間

このコメントから読み取れるデメリットは「過度なレッスン時間」です。

授業数が多いこともオンライン留学の利点ですが、詰め込みすぎると予習復習が疎かになるという声もあります。

特に受講期間に限りがある方は、学習内容を絞込み、無理のない範囲でレッスン時間を選択しましょう。

2週間しか受講していない分、最初から自信を持って話しかけに行けばよかったなぁと思いました。先生方は、生徒の英語力を伸ばすためにいます。自分の持っている英語力を使って精一杯話しかけにいってみてください。先生方は必ず答えてくれます。

デメリット:積極性が必要

このコメントから読み取れるデメリットとして、オンライン留学の受講にはある程度の「積極性が必要」ということです。

オンライン留学はウェブ上で授業を実施するため、対面よりも一方通行になりやすいという特徴があります。

もちろん先生は頻繁に理解の確認をおこなってくれますが、ときには積極的に話しかける姿勢が必要です。これはオンラインとわず、英会話を速く習得できる人の共通点と言えるかもしれません。

多くの先生は何百回、何千回というレッスン経験があります。自分が思っているほど、相手は気にしていません。先生や他の生徒は世界のどこか遠くにいる人たちです。逆に対面のように緊張する必要がないという考え方もできます。

英語は間違っても恥ずかしいことではありません。積極的に話しかけてみましょう。

あらかじめ予習、復習をしておかないと、授業スピードについていけないことがある。また、先生ごとの進め方の特徴は意識した方が良い。

デメリット:自習の必要性

このコメントから読み取れるデメリットは「自習の必要性」です。

オンライン留学は公式の語学学校が運営しているため、資格や指導経験を持っている講師がレッスンを担当します。そのため授業品質は高く、安定しています。

しかし授業を受けるだけ英語が伸びるという考えは誤りです。英語学習において、授業を補足するための自習は欠かせません。

オンライン留学の授業だけに頼るのではなく、英語学習の一環のなかにオンライン留学を当て込むイメージで検討しましょう。

授業前のグループワークに加えて、生徒同士でフリートークができる空間を設けると、より本当の留学のような文化交流ができるのではないかと思います。

デメリット:国際交流の限度がある

このコメントから読み取れるデメリットとして、現時点のオンライン留学には「国際交流の限度がある」という点です。

グループ交流はオンライン留学のメリットです。しかし実際の留学(リアル)と比較すると当然限界があります。

国際交流だけを目的にすると満足することは難しいかもしれません。あくまで英語学習が第一目的、国際交流は次の楽しみくらいに考えておきましょう。またレッスン体系がマンツーマンなのか、グループなのかによっても授業の雰囲気は違ってきます。

オンラインなので時々接続に問題が生じてしまうことはありました。先生が冷静に対処してくださり助かりました。

デメリット:ネット環境の依存

このコメントから読み取れるデメリットは「ネット環境の依存」です。

オンライン授業である以上、ネット環境の良し悪しがあります。先生が自宅からレッスンをしているのか、学校やオフィスからレッスンをしているのかによっても速度の違いがあるかもしれません。

問題が起きた場合は遠慮なく先生や運営に報告することに尽きます。もし自分側に問題がある場合はWi-Fi設備や接続を見直してみましょう。

オンライン留学のデメリットまとめ

  • ・プログラムの開講時間が合わないことがある
  • ・授業だけではなく自習も必要
  • ・自ら話しかける積極性が必要
  • ・国際交流にも限度はある
  • ・レッスンを詰め込みには要注意
  • ・ネット環境が悪くなる時もある

オンライン留学の費用対効果は?

さて、ここまで6つのデメリットをご紹介してきましたが、オンライン留学の費用対効果はどうなのでしょうか?

まずはその「効果」についてご紹介していきます。

本来は全受講生の方の英語がどれだけ伸びたのか?という統計データを取りたかったのですが、本人以外に成績を公開していない学校もあります。そのため今回はセブ島留学センターの独自アンケートから回答をご紹介していきます。

質問:英語は伸びましたか?フィードバックをお聞かせください。

肯定的な回答

オンライン留学前より「英語で話す」ということに対しての抵抗が減り、今後さらに積極的に英語で話す機会を増やしていこうと感じた。

セブ島留学センターによる解説

特に短期受講(1〜2週間)の傾向として「英語を話す抵抗が減った」や「英語に慣れてきた」という効果がよく見られます。

さすがに1〜2週間で英語が飛躍的に伸びたという方はいませんが、英語への慣れや学習の定着化を目標とする場合、短期でも十分達成を目指せます。

全体的に伸びたと思います。特にリスニング力が先生との会話を通して大いに高まったと感じています。また、慣れなかったスピーキングも、講師の方が上手に話を引き出してくださり、自然に英語を使って会話することができたと思います。

セブ島留学センターによる解説

1ヶ月以上の受講者の傾向として「リスニング」と「スピーキング」の効果を実感される方が多いという結果があります。

特にフィリピンを中心に「会話」に焦点が当てられているオンライン留学が多くなっています。プログラムによってはライティングやリーディングの授業もありますが、授業内での会話は必須です。

どの授業においても、聞く、話すという能力はフル活用となるため「リスニング」と「スピーキング」の伸びを実感する人が多いのかもしれません。

一方、単語や文法など形式的なインプットは、オンライン留学が始まる前の段階から自習しておくのがおすすめです。

アイエルツのスコアがかなり上がったと思う。スコアが4から、5.5/6.0くらいに伸びた。ライティングなど独特の書き方を丁寧に説明してもらい力をつけることができた。

否定的な回答

1週間では慣れるだけという感じ。カランメソッドや文法などは3ヶ月以上の継続が必要だと感じました。

セブ島留学センターによる解説

否定的な回答として多いのは「期間不足」です。受講期間内では思っていたようには伸びなかったというものです。特に1〜2週間など短期受講の方に比較的多く見られます。

期間を伸ばすには「費用」と「時間」が必要です。しかしほとんどの人には制約があります。その場合、単純に期間を伸ばすのではなく、授業時間を有効的に使えるように学習の的を絞ること、またインプット学習を日常的にやっておくことが重要です。

授業内容について、前半のTOEFLibtの対策は自分には、非常に難易度が高い授業で解き方は分かったもののそれを実践に生かすことができず、ただ問題を聞いて先生の回答例を聞くような形になってしまいました。

セブ島留学センターによる解説

メリット部分でも解説したようにオンライン留学の一番の学習効果は「スピーキング」と「リスニング」です。TOEIC、TOEFLの試験系プログラムも多くありますが、自習できる範囲内のことと授業内容が重なってしまうことがあります。基本的に形式学習であれば、オンライン留学をする意味はありません。

一方でIELTS(アイエルツ)については、TOEIC、TOEFLよりも評判は高いと言えます。オンライン留学で得たスピーキングやリスニング力を試験で有効的に使えるためで、IELTS(アイエルツ)を専門としたオンラインプログラムもあります。

オンライン留学で効果の高いプログラムを3つあげるとすれば、日常英会話・ビジネス英会話・IELTSです。

次に「費用」について見ていきましょう。

オンライン留学の費用はプログラムや期間によって差があります。また1日のレッスン数によっても予算が異なります。

ここでは授業数が多いものと少ないもので、それぞれ1ヶ月の費用例をご紹介します。

授業数が多い費用例(1ヶ月)

レッスン期間1ヶ月
レッスン日月〜金(週5日)
1日のレッスン時間1回50分 × 5コマ
レッスン合計100コマ(約83.3時間)
入学金10,000円
学費85,000円
合計95,000円(税込)

授業数が少ない費用例(1ヶ月)

レッスン期間1ヶ月
レッスン日土日(週2日)
1日のレッスン時間1回50分 × 3コマ
レッスン合計24コマ(20時間)
入学金5,000円
学費22,000円
合計27,000円(税込)
セブ島留学センターによる解説

1日5コマの場合、1ヶ月で約80時間のレッスンとなります。これは週1回通う英会話スクールの2年分のレッスン時間に相当します。一方、土日受講や1日のレッスン数を減らすことで、費用をぐっと抑えることもできます。

社会人の方であれば、休職中に英語をがっつり勉強したい方、仕事を続けながら勉強したい方、大学生や中高生の方であれば、夏休みや春休みを活用して受講する方が多くなっています。

仕事や学業など、自分のスケジュールに合ったプログラムを探せる点もオンライン留学の特徴です。

オンライン留学は意味ないのか?の結論

これまで250名以上のオンライン留学の受講生を身近で見てきた弊社の結論としては「オンライン留学は十分に意味あるプログラム、しかし使い方を間違うと意味がない」です。

文法や語彙、形式的な試験対策など自分で勉強できる範囲のことをオンライン留学でやっても意味がありません。

先生や他の生徒がいることに意味がある使い方、例えば、グループ授業でのディスカッションやプレゼンテーション、コーチング、1:1英会話、ビジネス英会話、スピーキング&リスニング強化、IELTSなどオンライン留学が得意する分野を目的とする人とっては、しっかり意味を見出せるプログラムと言えます。

セブ島留学センターでは、マンツーマンのフィリピンを中心に、カナダ、イギリス、アメリカのオンライン留学を取り扱っています。お気軽にご検討ください。

フィリピン・セブ島留学について
この記事を書いた人:山田 貴大
フィリピン・セブ島専門の留学サービス「セブ島留学センター」の代表。関西大学在学中に6ヶ月のセブ留学を経験。2012年に事業設立。これまで80校を訪問し、約5,000名の留学生のお手伝いをさせていただきました。