コロナ禍の留学で注意すべきポイントは?

マスクのイメージイラスト

世界中の留学業界に影響を与えている新型コロナウイルス。コロナ禍において日本人留学生の身に起きたこととは?

当記事ではコロナ禍の留学で注意すべきポイントについて紹介していきます。

この記事で分かること

  • コロナ禍で日本人留学生の身に起きたこと
  • コロナ禍で留学が中止になるパターン
  • コロナ禍の留学で注意すべき「12」のポイント
(2021年7月13日更新)

フィリピン・セブ島留学がついに再開!(2022年4月時点)

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コロナ前の留学業界

弊社(セブ島留学センター)は、フィリピン・セブ島を中心に留学サービスを提供している会社です。留学といっても世界中で、語学留学、ワーホリ、大学留学、専門留学などが行われており、その種類は多岐にわたります。

日本学生支援機構(JASSO)が2020年に発表した「協定等に基づく日本人学生留学状況調査」によると、2018年度までの日本人留学者数は以下の通りした。

日本人の海外留学者数(2020年発表)

こちらのデータには民間機関の留学生数まで網羅されておらず、実際にはさらに留学生がいたことが考えられますが、少なくともコロナ前の留学は年々人気が高まっており、留学生が増えている状況でした。

そんな活発化していた留学業界に突如襲ってきたのが「新型コロナウイルス」です。留学は最もコロナの影響を受けていると言っても過言ではありません。人々の移動が制限される中、私たちにとって海外は遠い存在になってしまいました。

コロナ禍の日本人留学生の身に起きたこと

2020年3月、世界中に新型コロナウイルスが蔓延していく中で、どのようなことが日本人留学生の身に起こったのでしょうか。

今、将来の留学を検討している人は、大きな不安の中で準備を進めていると思います。海外に行った後、再び新型コロナウイルスや同じようなウイルスが流行したらどうしよう?と考えている方もいるかもしれません。過去の出来事を振り返って、未来の留学の対策に役立てましょう。

コロナ中に留学生の身に起こった出来事として以下のようなことが挙げられます。

現地情報が錯乱して、何が正しいか判断できなかった

新型コロナウイルスの蔓延は国によって差がありました。どこの国の留学生も最初は「他国の出来事」と思っていた人が多かったようです。次第に自分がいる国にもコロナウイルスが蔓延し、慌てて情報を調べても情報が錯綜し、日本に帰国すべきなのか、残るべきなのかで判断に迷う人も少なくありませんでした。

その時に学校やエージェントから正しい情報を受け取っていたり、その国の言語で情報を先取りしていた人は、より素早い決断ができたかもしれません。日本語であっても、留学している国の日本国大使館や、外務省が提供する海外安全情報配信サービス(たびレジ)からも十分な情報を入手できます。

フィリピンでは、TwitterやFacebookでも日本国大使館が情報を発信しています。万が一留学中に何かあった時には、このような情報をいち早くチェックすると安心です。

多くの留学生が、すぐに日本に帰国できなかった

日本への帰国を決めた人でも、国や時期によってはすぐに帰国できない状況が続きました。その理由の一つが「航空券」です。コロナの影響で日本への帰国需要が一気に高まり、航空券が取得できなかったり価格が高騰する事態に発展しました。なかには日本への片道航空券が30万円を超える国もありました。

私たちのフィリピン留学の業界では、現地の日本人コミュニティ(日本人会)が航空会社に交渉を持ちかけ、臨時の団体便を日本に飛ばしたことで、ほぼ全ての留学生が無事に帰国しました。一部ではありますが、現地に自ら残り留学を継続する人もいました。

ワーホリ中の人は仕事が無くなった

新型コロナウイルスは学校だけでなく、留学中の仕事にも影響を与えました。欧米圏のワーホリでは観光関連の職に就く人が少なくありません。コロナウイルスの影響で観光者が激減し、仕事を失う人が続出しました。

コロナ後のワーキングホリデー(ワーホリ)においても当面の間、職探しが難しくなる可能性もあるかもしれません。ワーホリに行く人は事前に求人情報も確認しながら準備を進めることをおすすめします。

キャンセル料や返金でトラブルになるケースも

日本に早期帰国した人の中には、語学学校での授業が残っていた人も少なくありません。残りの授業を受けない分、学校やエージェントに学費の返還を求めることになりますが、キャンセル規定を確認できておらず、満足のいく返金を受けれなかった方もいたようです。

返金やキャンセル規定は語学学校、エージェントによって異なります。契約前には必ずキャンセル規定に目を通しおきましょう。もし不明な場合には、メールなどやり取りの履歴が残るもので確認しておく方法がおすすめです。

補償について保険会社とトラブルになることも

コロナによるトラブルは学費だけではありません。なかには保険会社と補償内容に関するトラブルに発展した事例もありました。不測事態に発生した補償は保険会社の約款によって定められています。

これから留学を検討する人は「旅行保険の補償内容」や「航空券のキャンセル規定」についても出発前に確認しておきましょう。万が一現地で感染したり、多額の出費がかさんだ場合も旅行保険に加入しておくと安心です。

コロナ禍で留学が延期・中止になるパターンとは?

コロナ禍での留学を検討している方の中には、出発直前で再び留学がキャンセルになってしまうことを心配する方も少なくありません。

ここでは過去の教訓からコロナ禍で留学が延期、中止になるパターンをご紹介します。

入国条件が急に変更となる

2021年7月、これまでコロナ禍でも留学にいけるとされていた「マルタ」の入国が急に不可となりました。

7月〜8月は夏休みということもあり、マルタの短期留学を決めていた人も少なくありませんでしたが、発表があったのは7月9日、14日〜は語学学校の授業が急遽オンライン化され、すでに現地に留学していた人にも影響を及ぼしました。

このようにコロナ禍での留学においては「急変更が生じる可能性がある」ということを念頭に置いておく必要があります。

具体的な対処方法としては、留学に行けなった時の「プランB」を先に決めておくことが重要です。例えば、留学にいけた場合は予定通り出発し、無理だった場合は「オンライン学習」に切り替えるなどが想定できます。

ビザの発行条件に変更が生じる

留学に必要なビザの取得条件が変更される可能性もあります。入国可否のみならず、国ごとの学生ビザや就労ビザの発行条件、観光ビザの滞在可能日数に変更が出ていないかも確認しましょう。現状のコロナ禍においては、特に短期の観光ビザの規制が厳しい傾向にあります。

飛行機が減便している(航空券がない)

出入国が可能になった後も、飛行機が減便している可能性があります。経由便を利用すれば辿り着けないケースは少ないことが予想されますが、希望日に到着できないことや航空券が高騰してしまう可能性もあります。学校の準備のみならず、航空券の経路も合わせて確認しておくのがおすすめです。

コロナウイルス感染の陰性を証明できない

コロナウイルスが収束するまでの当面の間、入国時にPCR検査の陰性証明、またはそれに準ずるような提出が求められる可能性があります。例えば、入国後に検査を受けるケースや、出発前に検査を受け証明を持って渡航するケースが予想できます。

少なくともコロナウイルスに感染している状態での渡航は難しいため「出発前の体調管理」がこれまで以上に重要になってきます。航空券や学校の急な変更で手数料損をしないためにも、大きな感染リスクが伴う活動は避けましょう。

留学中に再び中止になったらどう対処?

もし留学に出発した後、再びコロナウイルスや新たなウイルスの影響で留学が中止となったら、どう対処すべきでしょうか。多くの方は初めて海外留学かと思いますので、コロナの教訓から忘備録を残しておきます。

1. 外務省、大使館、領事館から正しい情報を収集する

現地で災害が起こると、真っ先にSNSをチェックする人も多いと思います。Twitterなどは情報の早さには優れていますが、正確さはフォロー先に依存します。SNSも参考にしながら、信頼性の高い外務省、大使館、領事館のホームページをチェックし、正しい災害の実態を把握しましょう。

2. 帰国判断は迅速に(帰れない事態を避ける)

新型コロナウイルス(パンデミック)のように災害の規模が大きい場合、日本への帰国判断を迫られることになります。当記事の冒頭でもご紹介しましたが、帰国需要が一気に高まると、航空券の座席が足りなくなります。結果として航空券が取れなくなったり、価格が高騰することに繋がります。災害の実態を正しく把握しながらも、帰国判断を下す場合には、なるべく迅速に行動することをおすすめします。

当社(セブ島留学センター)では、2020年3月のコロナ災害時、フィリピンを中心に約350名のお客様が留学されていました。全てのお客様への適切な案内に全力を注ぎましたが、やはり人によって行動の違いが見られました。コロナが流行る前に帰国を決めた方もいれば、周囲と同じように行動し高騰した航空券で帰国した方、最後まで残ってしまい帰国が困難になる方など様々でした。(最終的には臨時便で無事に帰国されました。)

このように災害規模が大きくなるほど、帰国条件も厳しくなっていきます。どのような時も海外留学で一番大切なのは「安全」です。危険と判断した時には後悔を恐れることなく帰国しましょう。

3. 帰国前に返金やキャンセル料について確認しておく

2020年3月のコロナ災害時には、帰国が最優先となり、残り授業のことまで気に留めれない人もいました。しかし日本に帰国してしまうと、現地マネージャーやスタッフとも会えなくなってしまいます。特にお金関係の清算のこと、残り期間の再履修のこと、連絡先などは帰国前に確認しておきましょう。

自分だけで留学を手続きした人のなかには、現地に連絡できない人も少なくありませんでした。日本国内にあるエージェントを介しておくことで、現地への確認、連絡、交渉を任せることができます。手間味噌ではありますが当社においても、規定外の学費の一部返金を交渉で取り戻せた事例もあります。

4. 現地残留を決めた場合は「日本人コミュニティ」を頼ってみる

様々な事情や想いがあり、どうしても日本に帰国したくない人もいることでしょう。もし現地残留を決めた場合は、現地の日本人コミュニティを探してみましょう。

新型コロナウイルス(パンデミック)ような災害が起こると、現地の友達が次々と帰国していきます。多くの留学生が学校、寮、ホームステイ先を中心したコミュニティに属していますが、その枠を超えている人は多くありません。つまり周囲の人が帰国していくと、少しずつ孤立状態になっていきます。

現地の友人と繋がっている人は安心ですが、もし独りになってしまった時には、日本人コミュニティを頼ってみましょう。海外には留学生のみならず、永住している日本人や仕事で駐在してる人がいます。留学で主要な国の多くには日本人コミュニティがあるので、SNSや周囲の人脈を駆使し、現地経験が豊富な日本人に頼れる選択肢があることも覚えておきましょう。

5. 現地で被害や損害を受けた場合は「旅行保険」を確認する

もし留学中に現地で何らかの損害を被った場合、旅行保険(留学保険)の補償が適用される場合があります。事前に加入している旅行保険会社に相談してみましょう。帰国後の相談となった場合、証明に必要な書類等を入手できない可能性があるため、損害を被った時にいち早く相談するのがおすすめです。

6. 航空券のキャンセル手続き、返金を確認する

早期帰国のために新しい航空券を取り直し、あらかじめ帰国予定日の航空券も持っている場合、その航空券をキャンセルすることになります。2020年3月のコロナ災害時には、各航空会社は緊急対応に追われ、日本に支店を構えていないマイナー航空会社とは連絡が付かないような事例もありました。

このような場合、キャンセル手続きも煩雑となり当初の帰国便がキャンセルができなかったり、格安航空会社(LCC)では返金を諦めざるを得ないケースがあります。格安航空券アプリを使っている場合も、利用する代理店は日本語の問い合わせが可能か、また相談窓口は日本にあるかを事前確認しておくと安心です。

コロナ対策としての「オンライン留学」

コロナ禍である2020年は、多くの人が留学を諦めざるを得ない状況となってしまいました。すべてを把握することはできませんが、おそらく万人を超える方が留学を中止されたのではないかと思います。

そんな中、世界の語学学校で開始されたサービスが「オンライン留学」です。オンライン留学は語学学校の授業を、日本にいながらオンライン受講できるもので、オンライン英会話よりも「本格派」として人気が高まっています。

カナダ、イギリス、アメリカのオンライン留学では、世界中の生徒がオンラインで集結し、活発的なグループ授業がおこなわれています。またフィリピンのオンライン留学はマンツーマンという利点を活かし、初心者の方にも人気なっています。留学に行くまでの事前学習として是非検討してみてください。

コロナ禍の留学で注意すべき「12」のポイント

入国ルールやビザ発行の条件

コロナ後の留学では、各国の「入国ルール」や「ビザ発行条件」をしっかり確認しましょう。再開後も当面の間は、条件付きになることも予想されています。外務省はもちろん、特定の国を専門で扱っているようなエージェントや大手機関の情報をフォローしておくのがおすすめです。

外務省の感染症危険レベル

各国の入国制限と合わせて、日本の外務省が発信している「感染症危険レベル」を確認しておきましょう。レベル3、レベル4では出発を見送ることが推奨されています。また渡航後に変更となる可能性もゼロではないため、その他の情報も含め、随時確認するようにしましょう。

たびレジ・大使館メルマガの登録

出発前には外務省が提供している「たびレジ」の登録や各大使館のメルマガ、SNS等をフォローしておきましょう。緊急事態が発生した時、正しい情報を収集する手段として役立ちます。

入国後の隔離生活の有無について

コロナ後の留学でも、入国後の隔離生活の有無について確認しましょう。国によっては隔離なしで入国できるケースと、14日程度の隔離を求められるケースがあります。またその方法についても、自己(滞在場所)としている場合や、国により場所が指定されている場合があります。

語学学校の感染防止対策

より安心できる留学のため、語学学校の感染防止対策についても確認しておきましょう。学校によってはマスク着用、アルコール消毒、ソーシャルディスタンスなどを実施、推薦していることがあります。コロナの影響で災害に対する関心が高まっている中、積極的な対策を打ち出している(対応が丁寧、早い)学校のほど、安心できると言えます。

オンライン授業の有無

コロナの影響によって、オンライン授業に力を入れている学校が増えています。コロナ後の留学においても、出発前の事前レッスンや予習、復習はオンラインというような流れが主流になる可能性があります。オンラインの効率化を目指しながらも、オフラインは実践(対面価値)にフォーカスしているようなプログラムに注目してみましょう。

語学学校の経営状態

コロナの影響で、語学学校の経営状態が悪化している可能性があります。もし自分で学校について調べたい場合は、語学学校を運営している会社のホームページやSNSも確認してみましょう。他の事業を手がけている学校も少なくありません。また再開後の活気(どれくらい生徒が戻っているか)も経営状態を見抜くポイントになります。

エージェント側も経営状態が悪化している学校の紹介は極力避けたいため、ユーザー側との利益相反関係とはなりません。その国に特化している専門エージェントに相談してみるのも一つの方法です。

留学エージェントの経営状態

コロナの影響で学校のみならず、留学エージェントの経営状態が悪化している可能性もあります。留学エージェントの経営において、大きなコストを占めるのは「人件費」や「賃料」の固定費です。また「広告費」をかけすぎている場合も注意が必要です。

例えば、過去に破綻している留学エージェントは、固定費、広告費が膨らみやすい大手系のエージェントが多く、大きい会社=安全ということでもありません。経営状態が不安な場合は、営業カウンセラーの人数や販売実績を調べてみるのも一つの方法です。

留学再開に伴うキャンペーン

学校によっては、留学再開に伴うキャンペーンを打ち出すことがあります。入学金の割引や無料追加レッスンなど、様々なキャンペーンが予想されますので、少しでも費用を抑えたい方はキャンペーンに注目してみましょう。コロナ前の需給バランスに戻るまでは、今後もお得なプランが打ち出される可能性が高いと言えます。

留学が中止になった時のキャンセル規定

コロナの影響により、返金規定やキャンセル規定を見直している学校やエージェントもあります。契約時には必ず規定に目を通すようにしましょう。もし規定がよく分からない場合には、事前にメール等で確認しておくのがおすすめです。電話確認の場合、やり取りの履歴を残すことができないため、メールなどいつでも見直せるもので確認しておきましょう。

コロナ後の航空券・路線の変化

コロナ後の海外渡航では、航空券の路線にも変更が出ている可能性があります。当面の間は減便も予想できるため、直行便の有無、経由便の経路をしっかり確認しておきましょう。また、万が一のキャンセル時にはどうなるかも合わせて確認しておきましょう。

マスクやアルコールの準備方法

コロナ後の留学では、マスクやアルコールの準備方法についても注意しておきましょう。滞在場所の周辺でも調達できるのか、また日本で買うのとではどちらが安いかもチェックポイントです。

当記事を執筆している「セブ島留学センター」でも、コロナ再開後のお得な「フィリピン・セブ島留学キャンペーン」や「オンライン留学」をご提案させていただいております。お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人:山田 貴大
フィリピン・セブ島専門の留学サービス「セブ島留学センター」の代表。関西大学在学中に6ヶ月のセブ留学を経験。2012年に事業設立。これまで80校を訪問し、約5,000名の留学生のお手伝いをさせていただきました。